こんにちは!朝のお散歩時間が試練の季節になったなあと思うのは私だけでしょうか…さて、今回は我が家のジャーマンシェパードドッグの女の子、スマイルさんが突然体調を崩し、場合によっては命に係わったかもしれない危険な出来事がありました。今回はその時のお話。ぜひ皆さまのワンちゃんもご注意ください!
目次
突然の嘔吐と元気のないスマイルさん
その日はいつものようにスマイルさんといつものお散歩ルートに出かけ、寒さに震えながら帰宅しました。しかし、家に帰ると突然スマイルさんが嘔吐。それだけでなく、いつもスマイルさんが帰宅後の楽しみにしている「ペットスエット(ペット用ポカリスエット)」にも全く興味を示さずぐったりして、横たわってしまったのです。
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驚いた私はすぐにスマイルさんの様子を観察。この日はちょうど行きつけの病院が休診日で、ほかの病院に連れて行こうか迷ったのですが、目の動きはしっかりして、顔も上げる、しばらくしてウロウロと動きはじめたので、しばらく様子を見ることにしました。
翌朝の回復と原因究明
翌朝になると嘔吐も止まり、スマイルさんはご飯をおねだりして飛び跳ねるほどすっかり元気を取り戻して一安心。でも、なぜ突然具合が悪くなったのか原因はすぐには分かりませんでした。元気になったスマイルさんといつものお散歩コースを歩きながらふと思い出したのが、散歩中にスマイルさんが落ち葉の間から何かを口にしていたような気がして、その場所に行ってみると銀杏の実がたくさん…
銀杏の実の危険性
食べすぎると銀杏中毒に
銀杏の実には「メチルピリドキシン」という成分が含まれていて、この物質は人間の場合でも大量に摂取すると中毒症状を引き起こすと考えられています。
症例は41歳,女性。既往歴特記事項なし。銀杏60個を摂食し,4時間後から嘔気,嘔吐,下痢,めまい,両上肢の振戦,悪寒が出現した。
日本救急医学会雑誌
犬の銀杏中毒について調べてみると、2023年11月に1件事例が報告されていました。
14歳10カ月齢,去勢済雄のイングリッシュ・コッカー・スパニエルが,嘔吐と四肢の振戦を主訴に夜間救急動物病院を受診した.来院時は起立不能及び意識は傾眠状態で,稟告及び吐物の内容によりイチョウ種子である銀杏による中毒を疑い,入院管理下での治療を開始した.ビタミンB6製剤の投与や対症療法を行い,治療開始9時間後には意識状態の改善並びに自力での歩行が可能になるまで回復した.治療開始11時間後に退院とし,受診11カ月後現在までに症状の再燃は認められず,良好に経過している.
日本獣医師会雑誌
銀杏中毒の仕組みと症状
メチルピリドキシンは、神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)の働きを抑制する作用がありこのため、銀杏の実を摂取し中毒になった犬は以下のような症状を示すことがあるそうです。
- 嘔吐
- 下痢
- 運動失調(歩き方がぎこちなくなる)
- けいれん発作
- 昏睡(重症の場合)
中毒量の目安
銀杏中毒になる目安として、人間であれば一度に約50個食べた事例がありますが、犬の場合は体重や個体差によって影響の度合いは異なるのかと思います。実際に我が家のスマイルさんは体重28キログラムですが、食べた銀杏の実は1個か2個程度。それを考えると、特に小さな体の犬や子犬にはもっと少量でも症状が出るのかもしれません。
飼い主として気をつけたいこと
今回の件で、私はスマイルさんの散歩中の様子をより注意深く見なければいけないなと思いました。スマイルさんはまだまだ子犬なので好奇心旺盛、落ちているもの、気になったものは何でも口にしてしまいます。それを未然に防ぐためには、クン活だろうと油断せず、鼻先にある物に常に注意を払って、危険なものを咥えてしまったときはすぐ吐き出させるようにしました。また、普段から毒性のある植物や食べ物についての知識を深めることも重要だと痛感し調べてみました。
犬が食べると危険な食材一覧
- 銀杏の実(今回の原因にもなったもの。特に10月から12月にかけてのお散歩で注意!)
- チョコレート(カカオに含まれるテオブロミンが中毒を引き起こす)
- ブドウ・レーズン(腎不全のリスク)
- 玉ねぎ・ネギ・ニンニク(赤血球を破壊し貧血の原因に)
- アボカド(ペルシンという成分が心臓や胃腸に悪影響)
- アルコール(少量でも命に関わることがある)
- カフェイン(コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれる)
- 生の魚や肉の一部(寄生虫や細菌のリスク)
- キシリトールを含む食品(低血糖や肝障害を引き起こす)
- 生のパン生地(膨張して胃腸を傷つけたり、アルコール発酵する危険性)
みなさんもお気をつけください!
愛犬との散歩は楽しい時間ですが、周りの環境にも目を配ることが大切なんだと痛感した出来事でした。銀杏の実はこの時期、特に公園や街路樹の下でよく見かけるもの。みなさまもどうぞお気をつけください!
スマイルさんの元気な姿を見るたび、何事もなく回復してくれてよかったと思うと同時に、「今日のお散歩も気を付けなければ…」と少しの緊張感が身についたように思います。これからもスマイルさんとネルさんと家族一緒に元気いっぱいの毎日を過ごしていきたいと思います!