我が家の愛猫、ノルウェージャンフォレストキャットのネルさんが生後6か月を過ぎ、避妊手術を受けるか否かの決断を巡って家族で揉めに揉めました。家族内で避妊手術賛成派と反対派で意見が分かれてしまったのです。ブリーダーさんや獣医さんのアドバイスをいただき、そして衝撃の実話に家族全員が怖くなり避妊手術をすることにしました。一泊二日のネルさんの入院、残された愛犬スマイルさんの反応、その後の様子などについてお伝えします。
目次
1. 避妊手術を巡る家族会議
1.1 ブリーダーさんのアドバイス
ネルさんをお迎えする際、ブリーダーさんから「ノルウェージャンフォレストキャットはほとんど鳴かないんですよ」とアドバイスをいただいていました。実際に猫舎を見学させていただいたときちょうどヒートの子がいたのですが印象として「これで鳴いているんですか?」と思うほどそれはそれは静かな鳴き声でした。そのこともあってネルさんは完全室内での生活のためヒートの影響も少ないかなと思い、避妊手術はしない方針でいました。しかし、近所のオス猫たちがネルさんの存在に気付いたのか一匹、二匹と集まってくるようになったのです。そこからネルさんの避妊手術を巡っての家族会議が開かれるようになりました。
1.2 手術を望まない意見とその理由
反対派の家族は、手術によるリスクや自然な姿で育てたいという理由から、手術に反対していました。「万が一のことがあれば後悔する」との心配もあり、決めかねていたのです。
1.3 手術を望む意見とその理由
一方、過去に猫を飼っていた家族は猫のヒート時に壁紙がことごとく剥がされ、夜中の鳴き声で不眠になり生活がままならなかったことを熱く主張し、話し合いは平行線をたどりました。
2. 獣医さんからのアドバイスと最終決断
2.1 手術のリスクとメリット
家族内では収集がつかなかったことから、かかりつけの獣医さんに相談したところ、手術のリスクは非常に少なく、むしろ避妊手術によって病気のリスクを減らすメリットがあると説明されました。
病気の予防ができる
メス猫の避妊手術を行う上で、最大のメリットです。避妊手術をすることで、性ホルモンや生殖器に関連する様々な病気を予防することができます。具体的には乳腺腫瘍・子宮蓄膿症・子宮内膜炎・子宮がん・卵巣がんといった、病気があり、命に関わるものも少なくありません。
避妊手術を行う時期が早いほど発病リスクを抑えることができるので、出来る限り1歳までに手術をする事が望ましいです。
発情期によく見られる問題行動がなくなる
発情期におけるメス猫は、オス猫を求めるため、大きく甲高い鳴き声を発します。またメス猫は、交尾の刺激によって排卵する交尾排卵動物のため、交尾ができるまで発情が数週間続く場合があるのです。昼夜を問わずこの鳴き声を出すため、近所の方とのトラブルにもなりかねません。避妊手術を行うことにより、上記のような鳴き声を発することはなくなります。
望まない妊娠や出産を避けることができる
猫は、交尾をすることで排卵が起こる動物ですから、交尾を行うと高確率で妊娠します。飼い主の知らない間に外出して妊娠してしまうケースも少なくありません。飼いきれなかったり、望まない妊娠で産まれてきたりした猫の末路は、殺処分です。
新たに子猫を飼いたいといった理由がない場合、避妊手術をすることでそれらを回避することができるのです。
発情期のストレスがなくなることで、性格が穏やかになる
避妊手術を行うと、性格がおだやかになったと感じられるでしょう。これは発情時の問題行動がなくなるためです。根本的な性格が変わってしまうわけではないので、安心してください。
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2.2 衝撃の実話と脱走歴
また、獣医さんから「避妊手術をしなかった室内飼いの猫が発情期に脱走し、マンションから飛び降り大怪我をして病院に担ぎ込まれてきたケースがある」という衝撃の実話を聞かされたのです。実は、我が家のネルさんは一度マンションの手すりを伝って脱走したことがあるため、その話を聞いて家族全員の不安が一気に増したのはいうまでもありません。ちなみに大怪我をした猫ちゃんは命に別状はなく無事退院されたそうです。
2.3 家族の結論
この話を聞き、家族全員が「ネルさんの命には代えられない」と考え、避妊手術を決断するに至りました。
3. ネルさんの入院とスマイルさんの寂しさ
3.1 スマイルさんが感じた孤独
手術当日、動物病院へはいつも一緒にお出かけしていたのになぜ私だけ?といわんばかりの不安げな様子で病院に向かうネルさんを、スマイルさんは玄関先まで見送りました。手術は無事に終了し、一晩の入院となりました。この間、家で待つスマイルさんは、いつもの元気な様子とは違い、玄関やネルさんのお気に入りの場所を何度も見回る行動を見せていました。その日の夜のスマイルさんは寂しそうに「フゥン…」とため息をついたりしてネルさんがいない状況に、彼女の存在の大きさを改めて感じたようです。
3.2 ネルさんの退院後の様子
翌日、ネルさんが無事に帰宅しましたが、手術後しかも術後服を着ていることもありぐったりしている様子でした。いつものスマイルさんなら勢いよく飛び跳ねてネルさんに遊ぼう!と誘いに行くのですが、ネルさんがいつもと違うことに気づいたのか、距離を置いて遠くから見守っていました。
4. 一週間の隔離生活で見えた絆
4.1 扉越しのコミュニケーション
とはいえ、遊びたい盛りのスマイルさん。ネルさんに「遊ぼう!」とちょっかいを出すのを我慢できない様子だったため、ネルさんを別の部屋に隔離することに。ネルさんと遊べない寂しさから、スマイルさんは隔離されたネルさんの部屋の扉の前でクンクンと鳴くことが増え、「ネルさんどうしたの?遊んでくれないの?」とでも言っているかのようでした。おかげさまでネルさんは日を追うごとに少しずつ元気になり、扉の下の隙間から前足をちょいちょいと差し伸べて「スマイルさん、こっちだよ!」とささやかな煽り行為ができるほど回復していきました。久しぶりの煽られ行為が嬉しかったのでしょう。スマイルさん、前足で扉を勢いよくガシャガシャと引っ搔いてそれはそれは大興奮。嬉しそうな姿にほっこりするも、扉についた傷で後で家族に大目玉を食らったのは内緒です。
4.2 抜糸後の再会と新たな日常
避妊手術をして一週間後、無事に抜糸が終わって隔離生活も終了。ネルさんとスマイルさん久しぶりの再会となりました。一緒に遊びたくてしょうがないスマイルさんを横にネルさんは術後服でずっと我慢していた全身の毛づくろいにしばらくは夢中でした。ネルさんの体調がまだ万全でないのが分かっていたのかスマイルさんは程よく距離を保ちながらネルさんの様子に合わせて遊ぼう!と誘い、今ではまた元気に二匹で追いかけっこを楽しむようになりました。
まとめ
今回は避妊手術に対する不安や葛藤がありましたが、家族で相談し、健康と安全そして命を守るための決断に至りました。術後のケアを経て、再びネルさんとスマイルさんが元気に遊ぶ日常が戻ったことにホッとしています。獣医さんや看護師さんその他ネルさんの手術に関わってくださった皆様に感謝申し上げます。今回のエピソードが、愛するペットとのより良い生活を送るためのみなさまのお役に立てますと嬉しいです。
ちなみに、ネルさんの着ていた黄色の術後服は病院の方で準備していただいたらしく、本音を言えばピンクがよかったなあ…と思っていたら、同じ型のピンクがありました。しかも赤いハートまでついて可愛い。事前にちゃんと調べて買っておくんだったと反省…今後何かの手術を予定されている方の参考になりますと幸いです。
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